森田芳光監督作品『間宮兄弟』の主人公、仲の良い明信と徹信の兄弟が住む、東京の下町―京成押上線「京成立石」は、“男はつらいよ”で有名な、“柴又駅”の少し前にある小さな町だ。今でも昔ながらの風情を残すアーケードが縦に3本走る。アーケードを通るとお惣菜の薫りが漂い、今晩のおかずを物色するおばちゃんが幾重にも重なって軒先を賑やかしている。そうかと思えば、カウンター式のもつ焼が名物の一杯飲み屋が向かい合って商売をしていたり…まさに戦後間もない頃の商店街…という風情がここに根強く残っている。

 この商店街で愛すべき間宮兄弟は、初めて部屋に女の子を招くカレーパーティーの食材を買いにくるのだ。そこでグリコじゃんけん(…と、筆者は呼んでいるがグー・チョキ・パーで買った分だけ先に進めるアレである)をしながら明らかに浮き足立つ二人が、帰り道“小林薬局”で熱を測るといつもより興奮して熱が出ている事が判明する。こうした実在するお店や通りを実際に使用して完成した『間宮兄弟』には本物だけが持っている空気感を有している。(ただし、薬局には店員の広田レオナはいません)


 駅から向かって一番左を走る比較的広いアーケードは結構明るめのチェーン店が並び、塚地武雅演じる徹信が明信の同僚の奥さん(戸田菜穂)と初めて会う喫茶店「カフェ・ルミエール」もこの通りにある。機会があれば、是非立ち寄って欲しい喫茶店だ。店内は、どこか懐かしさを感じさせ店頭にあるショーケースには昔ながらの蝋細工のメニューが展示されている。また、必要以上に広いトイレも圧巻であるのでお楽しみに。そして中央を走るアーケードは、八百屋・魚屋・総菜屋…等が並ぶ、主婦の買い物エリア。左の写真のように餃子を売っているお店は軒先でラーメンが食べられるなど一人暮らしの独身者にも嬉しい通りだ。最後に、一番右を走る短いアーケードが一杯飲み屋や立ち食い寿司屋が並ぶ、飲みや横丁となっており、ここの名物は何と言ってもモウモウとした煙のもつ焼。明るい内からおじさんたちが上機嫌で一杯引っ掛けているのが何とも下町らしくて楽しい。

 歩けば歩く程、不思議な通り“立石駅前商店街”を抜けて中川の方へ歩いて行くと通りの向こうにビリヤード場の表示が出ている怪しげな通りがあったり、中華料理屋の隣に小さな祠があったりする。シャッター通りの商店街が増えている中、小さいながらも活気溢れる“立石駅前商店街”を歩いていると自然に元気が湧いてくる。

京成押上線京成立石駅
浅草より都営浅草線 約10分
上野より京成・京成押上線 約20分


発売:角川エンタテインメント http://www.kadokawa-ent.co.jp/
ACBF-10429  片面2層
主音声:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド[16:9 | LB](ビスタ)
映像特典:オーディオ・コメンタリー“反省会”、予告編・TVスポット集
メイキング〜間宮兄弟に会いに行こう〜

税込4,935円<通常版>
 


日本映画劇場とは看板絵ギャラリーお近づきに…

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