グッモーエビアン!
大切な誰かを持つ、すべての人へ。新世代の家族ムービーの誕生!

2012年 カラー ビスタサイズ 106min ショウゲート配給
監督、脚本 山本透 脚本 鈴木謙一 原作 吉川トリコ 撮影 小松高志 音楽 葉山たけし
主題歌 ONE OK ROCK 照明 蒔苗友一郎 美術 龍田哲児 録音 石貝洋 衣裳 西留由起子
出演 麻生久美子、大泉洋、三吉彩花、能年玲奈、竹村哲(SNAIL RAMP)、MAH(SHAKALABBITS)
塚地武雅、小池栄子、土屋アンナ

2012年12月15日(土)より テアトル新宿ほか 全国ロードショー公開中
(C)2012『グッモーエビアン!』製作委員会


 2004年新潮社主宰の「第三回女による女のためのR-18文学賞」において大賞と読者賞をダブル受賞した作家・吉川トリコの同名小説を山本透が監督・脚本を手掛ける。また共同脚本を執筆するのは『ボックス!』『オールデンスランバー』の鈴木謙一。普通ではないけれど、どこよりも温かい家族と少女の成長物語を作り上げた。主人公のアキを演じるのは『モテキ』『ガール』など幅広い役柄を演じ続けてきた麻生久美子。初めてのギターに挑戦して、クールなプレイを披露している。もうひとりの主人公ヤグを演じるのは『探偵はBARにいる』『しあわせのパン』などコンスタントに主演作を発表している大泉洋。原作を読んでヤグのキャラクターを気に入り、出演を熱望して劇中で素晴らしい歌唱力を披露している。また15歳のハツキ役に抜擢されたのは“Seventeen”の専属モデルで、ドラマや映画への出演が続く三吉彩花。さらに、劇中に登場するパンクバンドのライブで演奏される曲は人気ロックバンドONE OK ROCKが書き下ろしている。


※物語の結末にふれている部分がございますので予めご了承下さい。
 元パンクバンドのギタリストで17歳で母親になったアキ(麻生久美子)としっかり者の中学3年生のハツキ(三吉彩花)は、対照的だが親友のように仲がよく名古屋市内のアパートで二人暮らし。そんなある日、「世界ツアーにでる」と言って海外放浪の旅をしていたヤグ(大泉洋)が帰ってきた。アキと同じバンドでボーカルだったヤグはハツキの父親代わりとして三人で暮らしていた。2年ぶりの3人暮らしが始まるがハツキは戸惑いを隠せない。仕事もせずにその日暮らしをするヤグと、それに対して文句も言わないアキにも理解できなかったのだ。イライラが積もるある日の事、ハツキは親友トモちゃん(能年玲奈)に「あんな人がお父さんだったら毎日楽しそう」と言われ、思わずハツキはキレてしまう。だがとヤグの事で喧嘩してしまう。ギクシャクとしたままトモちゃんは両親の離婚によって鹿児島へ転向してしまう。ハツキが授業を受けていると、突然ヤグが教室に侵入。教師の制止を振り切りながらトモちゃんとの最後の別れをするべきだとハツキを迎えに来たのだ。ある晩、アキはハツキの担任教師から、ハツキが就職を希望していることを聞かされる。就職をして一人暮らしをするというハツキはどうやら、自分がアキとヤグの暮らしに邪魔な存在だと思っているらしい。家を飛び出し、土手に座っているハツキを見つけたアキは、本当の父親のこと、ヤグが中学卒業後すぐに両親を事故で亡くしていることを打ち明ける。全てを理解したハツキは進学する事を決意。卒業式の後、パンクテイストのファッションに身を包むハツキとトモちゃんが薄暗いライヴハウスで復活したパンクバンドで演奏しているヤグとアキの姿があった。そしてヤグはステージ上で「アキちゃんと結婚します」と宣言する。


 かつて人気パンクバンドのギタリストだった母と、高校受験を控えた中学3年生の娘…そこに同居している同じバンド仲間だった男。この三人の奇妙な生活を通じて家族という運命共同体を描いているウェルメイドなホームコメディだ。まず母親アキを演じる麻生久美子がイイ。娘を出産して育てるために(相手の男はとっくに逃げている)バンドを辞めて普通の会社勤めをしながらも職場で面白くない事があるとパンク時代のビデオを見ながら何本もビールを空ける姿に思わず萌えッ!基本、この方は『モテキ』のような男依存型よりも『ガール』や本作のような独立型の方が断然合っている。娘には「自分の人生、自分で決めたらイイ」とロックな教育をしていながら、学校の担任から娘が進学せずに就職すると聞かされた時に見せる狼狽と虚勢が滅茶苦茶カッコいいではないか。面白いのはそんな母を冷静に見る娘ハツキの適度な距離感だ。この母にしてこの娘あり…学年トップクラスの才女で真面目なハツキは、奇天烈な母に翻弄されながらも母の生き方を羨ましく思っている。ハツキを演じる三吉彩花の終始眉間にしわを寄せた仏頂面が秀逸でお気楽な麻生と絶妙なバランスを見せる。(谷村美月に次ぐ仏頂面美少女の登場だ)それだけにフリマで母親のバンドのインディーズCDを見つけた時に売り子(相変わらず土屋アンナが上手い!)から「結構、イケてるバンドだった」と言われて見せる柔らかい表情が生きてくるのだ。
 そうなってくると可哀相なのは同居人ヤグを演じる大泉洋の役回り。かつて私生児を産む決意をしたアキを助けるため父親代わりを引き受けたものの定職に就かずバンドを続けた挙げ句に、突然ギター1本で「世界ツアーをやる!」と旅立ち3年間も音信不通…3年ぶりに帰って来ると以前は上手くやっていたハツキとギクシャクする。どこが父親代わりだ?とツッコミを入れたくなる大泉がハジケればハジケる程、麻生と三吉の引き立て役になってしまう。だけどそれで良いのかも…。この映画のテーマは少女が成長する過程において今まで許せていた事が許せなくなる…いわゆる恥じらいが芽生える大人への過渡期。だからヤグは大声でハツキが嫌がる幼い時のあだ名で呼んで彼女を苛立たせる無神経な行動をしなくてはならないのだ。(例えどんなに罵倒され蹴られても)そんな暑苦しいキャラクターを嫌味無く演じられるのは正に大泉の真骨頂。クドくてウザいオーバーアクションをサラリと笑いに転換してしまうあたりはさすがです。本筋とは関係ないが、三人が500円を握ってフリマに出向き、各自の裁量で500円以上の商品をいかにゲット出来るかを競うシーンが楽しそうで、今度試してみようか…と思う。ここでヤグが最初に買ったモノを次々と交換していく内に最終的には若者たちの宴席に参加してしまうというわらしべ長者的なエピソードがある。さすが『ゴールデンスランバー』の鈴木謙一らしいシチュエーションを上手に活かした脚本が冴える。ラストの復活ライブで見せる大泉と麻生のパフォーマンスは山本透監督の思い入れが見事に花開き、あまりのカッコ良さに思わずウルっと来てしまった。観終わってホクホクする…疲れた時にはこんな映画が心に染みる。

「“さよなら”と“ありがとう”は、言える時に言わなきゃダメ!」親友とわだかまったまま別れようとするハツキにヤグが言うセリフ。

【麻生久美子 出演作】
フィルモグラフィー

平成7年(1995)
BAD GUY BEACH

平成9年(1997)
猫の息子

平成10年(1998)
カンゾー先生

平成11年(1999)
セカンドチャンス
ニンゲン合格
Dabger de mort<ダンジェ>

平成12年(2000)
ひまわり
リング0 バースデイ

平成13年(2001)
0 cm 4
RUSH! ラッシュ
Stereo Future SF episode 2002
贅沢な骨
RED SHACOW 赤影
回路
風花

平成14年(2002)
ラストシーン

平成15年(2003)
SF Sort Films is Beautiful
SF Sort Films Adagietto sehr.Iangsam
SF Sort Films
魔界転生
11'0901/セプテンバー11 日本編
アイデン&ティティ

平成16年(2004)
CASSHERN
CLEAN ROOM
eiko エイコ
ゼブラーマン
伝説のワニ ジェイク
青い車
丹下左膳 百万両の壺

平成17年(2005)
ハサミ男

平成18年(2006)
涙そうそう
THE 有頂天ホテル

平成19年(2007)
転々
怪談
夕凪の街 桜の国
どろろ

平成20年(2008)
コドモのコドモ
アキレスと亀
たみおのしあわせ
純喫茶磯辺
ぼくたちと駐在さんの700日戦争
ハーフェズ ペルシャの詩

平成21年(2009)
ウルトラミラクルラブストーリー
インスタント沼
おと・な・り
Beauty うつくしいもの
罪とか罰とか

平成22年(2010)
カラフル
シーサイドモーテル

平成23年(2011)
モテキ
日輪の遺産
ロック わんこの島

平成24年(2012)
おおかみこどもの雨と雪
ガール
宇宙兄弟
幸運の壺 Good Fortun
グッモーエビアン!



日本映画劇場とは看板絵ギャラリーお近づきに…

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