ゾンビアス
魅惑のゾンビワールドへようこそ!

2011年 カラー ビスタサイズ 85min 日活配給
エグゼクティブプロデューサー 久保忠佳 監督、脚本 井口昇 脚本 村田青、継田淳
撮影 長野泰隆 音楽 福田裕彦 キャラクターデザイン 西村喜廣 照明 児玉淳 美術 福田宣
出演 中村有沙、菅野麻由、護あさな、優希、ダニー(ザ50回転ズ)、岸建太朗
亜紗美、デモ田中、島津健太郎


 『片腕マシンガール』『ロボゲイシャ』など異色作を精力的に撮り続ける日本が誇る超鬼才・井口昇監督。2011年には『富江 アンリミテッド』『電人ザボーガー』を立て続けに発表し、いずれもカルト的な人気の粋を越え、世界からも熱い視線が送られている注目の監督が、ゾンビ映画の新境地を開くショッカーホラーを作り上げたのが本作。今まで見た事がない気味の悪いゾンビ映画を描きたかったという井口監督の頭の中に浮かんで来たのは、何とウンコまみれのゾンビだった。パラサイトに寄生された血まみれならぬウンコまみれの村人たちが次から次へと若い娘たちに襲いかかる様は確かに今までに見たことがない映像だ。ゾンビたちに立ち向かうヒロインの女子高生を演じるのは子役タレントとしてデビューした中村有沙。初の主演映画となる本作では正に体当たりの演技で女優魂を炸裂させる。見た事がないゾンビとウンコにオナラ、それに立ち向かうグラビアアイドルたちが演じる美少女たち…決して組み合わせられなかった要素をコラボさせた異色のホラーが誕生した。


※物語の結末にふれている部分がございますので予めご了承下さい。
 妹の死から立ち直れずにいる女子高生の恵(中村有沙)は、先輩の亜矢(菅野麻由)に誘われて仲間と一緒に川へキャンプに訪れていた。そこに“ネクロゲドロ”という謎の寄生虫によってゾンビ化した村人たちが襲いかかってくる。しかもそのゾンビたちは、ウンコまみれの“ウン・デッド”だった。辺りは一瞬にして、阿鼻叫喚の地獄絵図と化す。間一髪のところで田中(島津健太郎)と名乗る村の診療医に恵たちは助けられるのだったが、村人をゾンビに変えた原因を作ったのは他でもない田中自身だった。田中は死んだ一人娘を蘇生させるために人間に寄生して頭脳を操作する“ネクロゲドロ”を作り出したのだ。事実を知った恵はウン・デッドに、オナラが原因で妹を死なせてしまった過去を断ち切り「もはやオナラが私のエンジンよ!」と、命懸けの戦いを挑むのだった。


 タイトル『ゾンビアス』のアスは私達のUSではなく肛門のASS。この映画に出てくるゾンビどもは皆、寄生虫によってゾンビ化。一旦侵入されると脳髄まで支配されゾンビとなってしまう寄生虫によって村人全員がゾンビ化して外からやって来た主人公たちを襲う…というのはホラー映画の基本形だが本作は肛門から侵入した寄生虫が人間を襲う時はオナラを出しながら突進してくる汚物まみれのゾンビだ。出演している中村有沙や菅野麻由らグラドルたちもよくぞこんな屈辱的な役を引き受けたものだと感心した(エライ!)。怪作『電人ザボーガー』で高い評価を得た井口昇監督が挑んだ超B級のエログロ映画は可愛い女の子にオナラをさせたい!というサディスティックな発想から生まれたそうで…寄生虫に取り付かれたグラドルたちは極度の腹痛と便意をもよおしてオナラを連発。挙げ句にウンコなんだから辱めは半端ない。ボットン便所でお尻丸出しの護あさなを便坪の中から現れたウンコまみれのゾンビに襲われるシーンは正にスカトロホラーの極わみだ。『片腕マシンガール』『ロボゲイシャ』から続く一貫した世界観でメジャーデビューを果たしても決してブレない井口監督の姿勢は大したもの。
 最後には寄生虫の美少女クイーンと対決するヒロインがオナラのジェット噴射で空を飛び空中戦を繰り広げるのだからもう何が何だか。(上映館シネマート新宿のロビーで待っている客層が実に分かりやすいドンピシャのターゲットだったのが印象的)井口監督曰く「やりたい事をやった」という事だが、単なるお下劣ではなく『ソサエティ』や『ブレインデッド』等ホラーの名場面を彷彿させる要素も上手く取り込んでいる。結構、上手いなぁ…と唸らせる構図もあったりアクションホラーの水準は決して低くない。完全に寄生虫に支配され怪物化した護あさなが触手を伸ばして(もうこの段階でゾンビではないが)主人公を攻撃するシーンのローアングルと細かなカット割は思わず“おっ”と唸らせる。(アニメ世代の画作りだね)元々、ゾンビ映画はホラーの中でも汚くあるべきでイタリアの鬼才ルチオ・フルチ監督が作り上げた俗悪ゾンビ映画『サンゲリア』然り…「世界一汚いゾンビ映画にしよう」というコンセプトから始まった井口監督の方向性は間違っていない。出演した新人女優のプロ根性にはとにかく脱帽…心から拍手を贈りたい。そして、そんな頑張る新人アイドルたちを支えているのがロビーにたむろっていたヲタッキー全開の若者たちなんだなぁ…と思うと、この需要と供給のバランスだけは日本経済が順当に回っているようで面白い。

「地獄で下痢しな!」ウン・デッドと戦う場面で恵みが言うキメ台詞。カッコイイのかどうかは、よく分からないが何か決まっていた。


レーベル:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント
販売元: ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント
メーカー品番:GNBD-1650 ディスク枚数:1枚(DVD1枚)
通常価格 4,442円 (税込)

【井口 昇監督作品】

平成8年(1996)
ワンピース忠臣蔵

平成10年(1998)
クルシメさん
 ニューバージョン

平成15年(2003)
恋する幼虫
帰ってきた刑事まつり
 「アトピー刑事」

平成16年(2004)
悪魔の刑事まつり
 「中身刑事」

平成17年(2005)
猫目小僧
スパイ救出作戦

平成18年(2006)
おいら女蛮
卍(2006)

平成19年(2007)
片腕マシンガール
そんな無茶な!
「おばあちゃんキス」

平成21年(2009)
ロボゲイシャ

平成22年(2010)
電人ザボーガー
戦闘少女
 血の鉄仮面伝説

平成23年(2011)
富江
 アンリミテッド

平成24年(2012)
ゾンビアス

平成25年(2013)
デッド寿司



日本映画劇場とは看板絵ギャラリーお近づきに…

Produced by funano mameo , Illusted by yamaguchi ai
copylight:(c)2006nihoneiga-gekijou