アフロ田中
日本映画史に燦然(さんぜん)と輝くはずの、笑って泣ける異色ラブコメディ、誕生!

2012年 カラー ビスタサイズ 114min ショウゲート配給
エグゼクティブプロデューサー 松本整 監督 松居大悟 脚本 西田征史 原作 のりつけ雅春
撮影 小林元 音楽 笹井章 照明 堀直之 美術 尾関龍生 録音 久連石由文 編集 相良直一郎
出演 松田翔太、佐々木希、堤下敦、田中圭、遠藤要、駒木根隆介、原幹恵、美波、吹越満
皆川猿時、辺見えみり、リリー・フランキー

(C) 2012 のりつけ雅春・小学館/「アフロ田中」製作委員会


 ビッグコミックスピリッツ(小学館)に現在も人気連載中ののりつけ雅春のコミックシリーズ「アフロ田中」が映画となってスクリーンに登場!どれだけ年齢を重ねてもほぼ成長しない、彼女いない歴(=年齢)24年の主人公・田中広が、彼女を作ろうと奮闘する様をコミカルに描いた異色ムービー。監督は演劇ユニット“ゴジゲン”の主催者・松居大悟。無謀にも集結したあまりにも豪華なキャストたちが織りなす華麗なる日常の物語。笑って元気になれる新世代ラブコメディが、ここに誕生した!主人公・田中広には『ハードロマンチッカー』の松田翔太。彼女いない歴24年の男が、彼女を作ろうと空回りしながら悪戦苦闘する様を描く。共演は『天使の恋』の佐々木希、お笑い界からはインパルスの堤下敦、『ランウェイ・ビート』の田中圭、『七つまでは神のうち』の駒木根隆介が個性的な演技を披露している。


※物語の結末にふれている部分がございますので予めご了承下さい。
 強烈な天然パーマでこの世に産まれ落ちた田中広(松田翔太)。24歳になった今も彼女は出来ず、日々をなんとなく過ごしていた。そんな時、学生時代からのダメ仲間大沢(堤下敦)、岡本(田中圭)、村田(遠藤要)、井上(駒木根隆介)のうち、井上が結婚するとの知らせが舞い込む。驚きと共に田中が思い出した“誰かが結婚する時、それぞれの彼女を連れていこう”というモテない男ならではの悲しい約束。「やばい…、これは早急に彼女を作らねば!」そんな田中の前に、お隣に引越してきた加藤亜矢(佐々木希)が現れた!「あんなのどうこうできるはずないだろ!」激しくあふれ出す好意(と性欲)をおさえられない田中。果たしてXデー(ただの友達の結婚式)までに彼女を作ることができるのか!?


 何も成し遂げず、成長しない主人公がいたってイイじゃないか。のりつけ雅春の人気コミック『アフロ田中』を手掛けた松居大悟監督は単独インタビューでそう語っていた。現実の世界に生きる人間たちなんて大半は、そんなモンなんだから…確かにそうだ。現実から逃避したいからと映画に理想を求めるのもそれはそれで理解出来るし、本来、娯楽映画とはそういうものだ。ところがだ…観客はいつしか何でもかんでも映画の主人公に対してある種の期待感を抱く癖を身につけてしまったように思える。特に、「イケてない」人物が主役の場合は、最後に一抹の(逆転劇的な何かをやってくれるものと…)期待をかけてしまいがち。そんな時流に、待ったをかける、のりつけ雅春×松居大悟の映画『アフロ田中』の主人公・田中広は潔いほど成長しない。その周りにいる友人たちも辛うじて彼女はいるものの(言葉は悪いが)目くそ鼻くそを笑う程度…でも気にせず仲良し五人組で、もぞもぞやっている。こうした男子集団は正に松居監督の真骨頂で、そこにカタルシスを感じたりもする(これは男だけかも知れないが…)。
 それにしても松田翔太の頭にアフロヘアを乗っけて挙動不審な行動をさせるだけで見事に童貞男が出来上がるとは…。(勿論、彼の演技力に因るところも大きいだろうが、…にしてもだ)そっか、イケメンってただ顔がイイだけでは成立しないのだ。イケメン俳優である松田翔太を(彼女が見つからないと…)あそこまで落とし、途方に暮れさせる松居監督は、さらに突き放し、不器用であるが故に不様な行動をとってしまう男の悲しみやおかしみを愛情豊かに表現する。女の子との合コンバーベキューで何を話す訳でもなく場に不釣り合いなファッションで、ただニコニコ笑っている姿から童貞男の必死さが卯浮かび上がり、思わずこちら側の顔も綻んでしまう。コメディとしては、アフロの巨大さ以外、かなり控えめなリアクションが印象に残るが、これは、客席に向けて演技する事を嫌う松居監督の意図するところ。自分の内面を説明する必要は無く、表情に出ないものならそれはそれで良い…という俳優の自然な感情に委ねていたのが本作に関しては正解だったと思う。
 驚いたのは隣に引っ越してきた田中広に好意を寄せる美少女に扮した佐々木希の演技だ。天然とも思えるノホホンとした表情を見せていたかと思えば、いきなり目つきが変わり眼光鋭くケリを入れる場面は出色の出来である。今後ともますますコメディエンヌぶりに磨きをかけて、アッと驚く演技を見せてもらいたい…と、期待も膨らむ。

「何か、思ってたのと違うな…人生」冒頭で酔った田中が吐きながら呟くひとこと。あぁ、人生で何度そんな事を思っただろう。

【松居大悟監督作品】

平成22年(2010)
ちょうどいい幸せ

平成24年(2012)
アフロ田中
イノチミジカシコイセヨオトメ

平成25年(2013)
あたしの窓
男子高校生の日常
自分の事ばかりで情けなくなるよ



日本映画劇場とは看板絵ギャラリーお近づきに…

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