男子高校生の日常
グダグダな日常がマジヤバい!高校生よ、最強(バカ)であれ

2013年 カラー シネマスコープサイズ 85min ショウゲート配給
監督、脚本、編集 松居大悟 脚本 小峯裕之 原作 山内泰延 撮影 塩谷大樹 
企画プロデュース 松本整、宇田川寧 プロデューサー 大畑利久、若林雄介 
美術 湊博之 音楽 森優太 録音 反町憲人 衣装 西留由起子 照明 蒔苗友一郎 編集 相良直一郎
出演 菅田将暉、野村周平、吉沢亮、岡本杏理、山本美月、太賀、角田晃広(東京03)、東迎昂史郎
栗原類、上間美緒、三浦透子、山谷花純、白鳥久美子(たんぽぽ)、高月彩良、小池唯、奥野瑛太、佐藤二朗

2013年10月12日(土)シネチーブル池袋ほか全国ロードショー
(C) 2013山内泰延/スクウェアエニックス・映画『男子高校生の日常』製作委員会


 原作「男子高校生の日常」は、男子校に通うタダクニ・ヨシタケ・ヒデノリの仲良し3人やそのクラスメイト達による、まったく華のない学園生活を描いた“ゆるグダ”ギャグストーリー。ガンガンONLINEで毎話更新される度にアクセス数は8万を超え、2012年1月にはテレビ東京でアニメ化され話題に。更に同年12月に発売された最終巻含む全シリーズ累計で220万部を突破した。そんな、非モテ男子たちの世界観を描くのが、『アフロ田中』で、彼女いない歴=年齢のアフロ頭の主人公・田中広が、彼女を作ろうと奮闘する様をコミカルに描き、世の非モテ男性達からの熱い支持を受けた松居大悟監督。どこか懐かしさを覚える高校生のリアルとグダグダとした日常を見事に切り取った、愛すべき青春映画が誕生した。実家がいつもみんなのたまり場となる主人公・タダクニ役には『王様とボク』『共喰い』と主演作品が続く若手実力派俳優の菅田将暉。コンビニの店員に淡い恋心を抱くお調子者のヨシタケには、「梅ちゃん先生」「平清盛」等で全国的な人気となった野村周平。更に、ドラマ・映画「仮面ライダーフォーゼ」で女性からの絶大な支持を受ける吉沢亮が、女子校の文学少女にポエティックな対抗心を抱くヒデノリを演じる。そんな男子高校生からは謎で近寄りがたい存在である隣の女子校の生徒達に、セブンティーンモデルの岡本杏理、CanCamモデルの山本美月、上間美緒らが、こちらもリアルな女子校生姿を披露する。また、「東京03」の角田晃広や「たんぽぽ」の白鳥久美子もなんと高校生役として登場するなど、クラスに必ず一人はいる愛すべきキャラクター達をリアルに演じきった。


※物語の結末にふれている部分がございますので予めご了承下さい。
 男子校に通う仲良し3人組、タダクニ(菅田将暉)、ヨシタケ(野村周平)、ヒデノリ(吉沢亮)は、いつもタダクニの部屋に集まって、タダクニの妹(高月彩良)のスカートを穿いてみたり、マンガを読んだりとダラダラしたくだらない日々を過ごしている。ある日、隣接する女子校と文化祭を共催する事となり、3人の冴えない毎日が急展開。グダグダ男子校にキラキラ女子が襲来し、勘違いな恋愛騒動も勃発する。果たして無事に文化祭は終わるのだろうか?


 隣接する女子校と文化祭を共催する事となった男子校の生徒たちが、女子という恐怖の対象を前にパニック状態に陥り、一斉に浮き足立つ数日間の物語。Web雑誌『ガンガンONLINE』で連載された山内泰延の人気コミックの映画化に松居大悟監督を起用したのが、まず大正解。本作は、自らが主宰する演劇ユニット"ゴジゲン"で童貞男子の姿を笑いに昇華させてきた松居監督の真骨頂と言って良いだろう。(少なくとも今の日本映画界でこの原作を映画化出来るのは彼しかいまい)公開初日の劇場は、ほぼ99%中高生(しかも殆どが女子)で満席状態。劇中も隣席の女子高生二人組が「こいつらヤバくね?」と、何度も呟いたり、場内のあちこちから失笑が起こったりと客席からの反応は上々。
 菅田将暉、野村周平、吉沢亮が扮する同じクラスの男子高校生たちがウダウダと無意味な会話を繰り広げるオープニングにやられてしまった。勉強なんてそっちのけで、女の子のスカートについて力説を始め、遂には紀元前にまでルーツを遡る。そんな、どーでもイイじゃんって思うことは童貞の男子高校生にとっては現国よりも大事なことなのだ。クエンティン・タランティーノ監督作品『レザボアドッグス』の冒頭で強面の男たちがライク・ア・バージンについて熱心に語っていた事からもお分かりのように、男はどーでもイイ話しが大好き。ちょっとだけ親しい女子がいただけで、友人よりも一歩リードした気分になり、黒板を使って仲良くなった経緯を自慢げに説明するくだりに、郷愁を覚えたりしてホロリ、クスリ…と。そう言えば、以前インタビュー時に「不器用な人を上から目線で描いている作品になんか抵抗感じてしまう」と述べていた松居監督の言葉を思い出す。正に本作で主人公たちに注がれる松居監督の眼差しは、限りなく彼らと同じ高さに位置しており、だからこそ共感出来る部分も多いのだろう。
 そして、ここで重要な存在は彼らにとって恐怖の対象でもある横暴な女子たち。観客の女の子たちも、明らかに劇中で右往左往する男子たちを笑いに来ており、逆に男の子たちは冷静を装いながら苦笑いしていたのが面白かった。中でもトイレのひとつを女性用に過度な演出をするくだりで、場内の女の子たちから起きた小さな悲鳴がリアルだ。女子側主要メンバーの中でも秀逸だったのは『桐島、部活やめるってよ』では学年憧れの存在だった美少女役を演じた山本美月。彼女を敢えて行動派(ハッキリ言えば性格ブス?)のヤナギンに起用したセンス(嗅覚とでも言おうか―笑)はさすがだ。男子たちの最も苦手とする、彼らを見下してあけすけにズケズケものを言うキャラを見事に演じ切る意外性に思わず拍手。不貞腐れてコスプレ喫茶の受付に深々と腰を下ろし、威圧的な態度で男子に向かって「入れば?」と、すごむ演技なんか最高ではないか?

「女子って怖くね?」正にこの恐怖が男子の根底にあり、だからこそ男子は女子に惹かれるのだろうか?

【松居大悟監督作品】

平成22年(2010)
ちょうどいい幸せ

平成24年(2012)
アフロ田中
イノチミジカシコイセヨオトメ

平成25年(2013)
あたしの窓
男子高校生の日常
自分の事ばかりで情けなくなるよ



日本映画劇場とは看板絵ギャラリーお近づきに…

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