君を想う
浜崎あゆみの名曲“LOVE 〜Destiny〜”をモチーフとしたラブストーリー

2014年 カラー ビスタサイズ 14min UULA×SSFF共同製作
監督 門馬直人 製作総指揮 村本理恵子、別所哲也 エグゼクティブプロデューサー 柳崎芳夫
企画・統括プロデュース 諏訪慶、三宅裕士 プロデューサー 石田成一、伊藤主税、小出由佳
脚本 一雫ライオン 撮影 釘宮慎治 照明 織田誠 録音 甲斐田哲也 主題歌 浜崎あゆみ
出演 倉科カナ、駿河太郎、山崎廣明、月川修、三上翔平


 休日の午後。腕によりをかけた料理を振る舞う加奈(倉科カナ)。それを美味しそうに食べる亘(駿河太郎)。遅めの昼食を囲む、楽しい新婚生活の二人…のはずだった…。


 柔らかな午後の陽射しの中、洗濯物を干す妻を部屋の中から愛おしそうに見つめる夫。ところせましと食卓に並べられた料理を前に自慢げな表情を浮かべて「私の好きなところ10個言って」と尋ねる妻に夫は言う。「それって、男が女子に言われて鬱陶しいランキング一位のやつだぞ」鬱陶しがる夫とのやり取りすら楽しい。そんな理想を絵に描いた幸せな新婚生活のはずなのに…何故かつきまとう胸騒ぎと違和感。そして台所で咳き込む彼女の手のひらについた血…場面は当日の朝に遡る。病室のベッドに酸素マスクを装着した加奈が弱々しい声で担当の医者に頼む。今日一日だけ彼と一緒の時間を過ごさせて欲しい…と。浜崎あゆみの大ヒットナンバー“LOVE 〜Destiny〜”をモチーフに門馬直人監督は、病に侵された女性が愛する人と新婚ごっこという形で最後の時間を過ごす半日を切り取る。
 主人公・加奈を演じた倉科カナが死を前に彼に最後のお願いをする場面でいじらしいイイ演技を見せる。浜崎あゆみのラブソングに定番の難病もの…観客を泣かせようという門馬監督の魂胆(失礼!)が分かっていながらも中盤あたりから曲と物語の呼吸がバッチリ合って、既に涙腺が緩み始める。これを長編で映像化するとなると、どうしても90分以上は物語を肉付けしなくてはならないわけだが、ショートフィルムの良いところはその楽曲にあったワンシチュエーションをメインに置いて、一番描きたい場面だけ抜き出すことで、より楽曲の魅力が引き出されるところにある。とは言うものの本作のように誰もが知っている楽曲から物語を生み出すのは、人気コミックやベストセラー小説を映画化するくらいに難しいのは容易に想像出来る。特にファンは三者三様にイメージするものがあるから、ハードルが高い宿命もまた背負っているのが事実だろう。その点において、本作の描きたい場面は明確だった。しかもクライマックスへ向かうところで、あえてインストゥルメンタルを使う門馬監督の演出テクニックも心憎く、聞かせたいセリフと聴かせたい曲の絶妙なバランス感覚には感服せざるを得ない。
 また『蝉しぐれ』で日本アカデミー最優秀撮影賞を受賞した釘宮慎治カメラマンによるラストカットが胸を打つ。それまでフィックスだったカメラを手持ちに切り替えて、倒れた倉科カナにグイグイ寄っていく…彼に抱かれながら最後を迎える主人公の笑顔に作り手の思い全てが集約されていたのではなかろうか。事実、ラストで彼の腕に抱かれて笑顔で最後の時を迎える倉科カナのアップは鳥肌級の美しさだった。脚本を読んで泣けた…と参加を決意した釘宮カメラマンの想いも伝わってくる迫真の見せ場だ。

「2年想ってくれれば充分…」自分がいなくなった後のお願いをする加奈の言葉。

『君を想う』予告編 >> コチラから   SSFF×UULA特設サイト>> コチラから

【門馬直人監督作品】

平成24年(2012)
ミネストローネ

平成25年(2013
SKY ハヌル

平成26年(2014)
君を想う



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